未熟な防衛機制⑤
- シリーズ1
⑤理想化
理想化は困難な感情を処理できずに統合することが出来ないときに
その状況や対象を善と悪に分裂させて良いものか悪いものか
いずれかとして捉えることを言います。
◆状況や対象を全てが良いモノとして捉える場合に原始的理想化
状況や対象を全てが悪いモノとして捉える場合に脱価値化がおこります。
とはいえ誰もがだれかを理想化しますし 健康な大人でも感情面で頼りに
する人に特別の価値を感じますね。
通常の理想化は成熟した愛情に欠かすことのできない要素だとされます。
子供が成長して親が万能ではないことを受け入れていくように
例えば恋愛であれば始めは理想化していたパートナーのことを
時間の経過と共に脱価値化して等身大のその人を受け入れる
ことは健全なことだと考えられます。
★問題となる理想化は未熟な理想を繰り返す事です。
自分の内部に感じれれる不安や恐怖に打ち勝つために他者を万能だと理想化し
その人と心理的に統合することではじめて安心を感じることができるので
必死になって理想化を繰り返します。
★その理想化は同時に不完全な自分を受け入れられないことも意味しています。
自分の不完全さを補うために理想化した他者と統合を試みるわけです。
(※理想化の具体例)
①ありのままの相手を見ているわけでは無く 自分の恋人は完璧である
自分の親は理想的で完璧素晴らしいと盲目的に主張する人。
②カルト教団の信者が教祖を価値化するぐらいなら死を選ぶのような状態の時に防衛機制の理想化が著しいと見ます。